ワクチンの皮内投与の為の
デバイス(開発中)
Device for intradermal administration of vaccines
- PRODUCTSワクチンの皮内投与デバイスの紹介
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ライトニックスが開発を進めるワクチンの皮内投与デバイス皮内という免疫細胞が豊富に存在する部位に安定・簡便にワクチンを投与するデバイスを目指します
- SOCIAL ISSUESワクチンに関する社会課題
PRODUCTSワクチンの皮内投与デバイスの紹介
ABOUT PRODUCTSライトニックス新事業 ワクチンの皮内投与デバイス(開発中)
ライトニックスが開発を進めるワクチンの皮内投与の為のデバイス
皮内という免疫細胞が豊富に存在する部位に安定・簡便にワクチンを投与するデバイスを目指します
ライトニックスの皮内投与デバイスイメージ
【コンセプト】
- ワクチン投与量を筋肉内投与(IM)に比べ削減しても同等の活性を維持できる皮内投与(ID)デバイス
- 手技の難しい皮内投与をスタンプの様に皮膚にデバイスを押し当てるだけで簡便、安定的に投与可能にすることを目指し、開発を進めています。
- 針は、世界初の樹脂製ランセット針“ピンニックス ライト”の技術を応用しています。針は生分解性樹脂でできており環境にも配慮しています。
開発状況
2019年から国のプロジェクトにも採択されデバイス開発を開始。
現状は前臨床から臨床への移行段階であり、製薬企業との協業を模索中
- AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)プロジェクトに採択
- 想段階から開始し、ニーズ調査・要件定義を行い、2021年に動物試験でPOC(抗原投与量がIMの1/5で、IgG産生量が同等)確認に至りました。
- 今後は製薬企業と共同での治験開始を目指し開発を進めています。
当社デバイスと既存投与ルートによる免疫応答の比較評価
(抗原:OVA、皮内投与群は筋肉内投与群に対し1/5量を投与)
BENEFITS皮内投与のメリット
皮内に直接投与するため、ワクチン投与量の大幅削減が可能
皮内には免疫細胞が多く存在するため、既存の投与ルートである筋肉内、皮下投与と比較して、皮内投与はワクチン活性が高いことがWHOより報告されています(参照:以下図)。
皮内投与を用いることでワクチン量の削減が期待される
出所:(左)WHO, PATH, Intradermal Delivery of Vaccines Report, 2009
<Intradermal-delivery-vaccines_report_2009-Sept.pdf (who.int)>
(右)GVIRF: Global Vaccine & Immunization Research Forum
・筋肉内投与に対し、皮内投与はワクチン投与量を1/5に削減してもワクチン活性が同等以上であることが報告されています。
・タイでは狂犬病のワクチン投与において皮内投与の使用をタイ赤十字が推奨しており、実際に80%のワクチン量削減に成功しました(Vaccine. 2006 Apr 12;24(16):3084-6.)。
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筋肉内投与(IM)と皮内投与(ID)による活性比較
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インフルエンザワクチン投与量の比較:
筋肉内投与(IM) vs. 皮内投与(ID)
出所:(左)WHO presentation, Global Vaccine Research Forum 2006、
(中央・右):N Engl J Med 2004; 351 : 2295 – 301)
- COVID-19の様な今後も発生が想定されるパンデミック時に、より多くの方にワクチンを届けることが可能になります。
- ワクチンコスト削減により途上国を含む世界的なワクチン接種率向上が期待されます。
TECHNIQUE投与手技が難しい皮内投与
多くのメリットがあるものの、普及していない皮内投与によるワクチン投与
皮内投与は皮膚のごく浅い部分への投与である為、皮膚に対してほぼ水平に針を指す必要があります。かつ皮内は僅か1-2mmと狭い領域であり(以下図参照)、皮内投与の手技習得にかなりの訓練を要するため、先進国の医療現場であっても皮内投与によるワクチン投与はほとんど行われていません(AMEDプロジェクトにおける当社による現地医療機関への調査結果)。
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投与法の比較: 筋肉内投与 (IM), 皮下投与 (SC), 皮内投与 (ID)
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皮内投与前後の様子:投与時 (左); 投与後 (右)
出所:(左)WHO, PATH, Intradermal Delivery of Vaccines Report, 2009
<Intradermal-delivery-vaccines_report_2009-Sept.pdf (who.int)>
SOCIAL ISSUESワクチンに関する社会課題
世界中でワクチンに関する様々な課題があります。ライトニックスでは皮内投与デバイスの開発を通じて、これらの社会課題解決の一助となることを目指しています。
DISPARITYワクチン供給量による途上国と先進国間格差
COVID-19ワクチンは未だ供給量に限りがあるため、豊かな国が多くのワクチンを確保する一方、途上国では十分なワクチン供給が受けられない格差が生じています。
出所:The Economist, Rich countries grab half of projected covid-19 vaccine supply
<https://www.economist.com/graphic-detail/2020/11/12/rich-countries-grab-half-of-projected-covid-19-vaccine-supply>
途上国で亡くなる0~4歳の死因のうち、先進国で治療が可能な疾患は40%を占めます。ワクチンが高価なために途上国では入手できるワクチンが限定的であることに起因します
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世界の5歳未満の死亡要因
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WHO推奨の定期予防接種費の推移
(一人当たり)
DISPARITYワクチン投与の医療従事者不足
COVID-19のように、一斉に大量の人にワクチン投与するための医療従事者が不足しています。ワクチン調製といった事前準備の負担もあり、簡便かつ事前準備負担の少ない投与デバイスが求められています。
出所:The Wall Street Journal, Demand for Healthcare Workers Rises During Covid-19 Pandemic
<https://www.wsj.com/articles/demand-for-healthcare-workers-rises-during-covid-19-pandemic-11616508000>
DISPOSALワクチン投与デバイスの廃棄問題
途上国では使用後の注射器廃棄も大きな課題
- 不法投棄
- 金属針は焼却処分出来ず環境汚染に
- 不法投棄による二次感染被害